超 我 の 奉 仕

(ゴールデン・ストランドよりC)

 

 人々はなお一層、ロータリーの理想と行動計画を高めようと静かに活動を開始した。彼らは、【背中を掻くこと】を止めて、より素晴らしいゴールを設定して行動を開始したのである。今や、彼らがしようとするすべてのことは、その方向に向かって一斉に歩み始めた。

 

ハリス会長は、【標準定款細則】、及び【連合会定款細則改正委員会】の委員長として、シアトルのアーネスト・スケールを任命した。委員会の他の3名の委員は、シカゴ以外の3都市のクラブから任命した。この委員会の活動は継続されて、1912年のダルース大会で採択された。

 

標準定款細則は【5条の綱領】から構成されており、そのうちの3項目は次の通りである。

(1)   考え方や商取引上の方法を互いに話し合うことによって、各会員の能率を増進する機会とすること。

(2)   奉仕と成功を導く機会として知り合いを深め親睦を高めること。

(3)   社会福祉の問題に各会員の関心を促し、かつ市の発展のために他の人々と協力すること。

 

重要な言葉について言及してみたい。

 “各会員の能率を増進する”“奉仕の機会”“社会福祉”“他の人々と協力する”

 “市の発展”

彼らは問題点に焦点を合わせて奉仕した。モットーは例え大げさなものであろうと、ロータリーの顔としての方向性を示すものである。定款上これらの3項目は、そこにいかにして到着するかの方法を示したものである。彼らは正しく普及に務めた。

 

彼らが【背中を掻く】backscratchingことを捨てた時も、ロータリアンは往々にしてメロドラマによくでてくる後戻りをまったくしなかった。新しい理想主義はゆっくりと静かではあるが、力強く発展していった。彼らはクラブの興味として商取引を完全に捨てたわけではなかった。

将に1912年に制定された新しい綱領は、ほんの僅かな磨かれた言葉によって、今日に受け継がれてきたのである。1966年に制定された現在の綱領の主要部分は次の通りである。

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1.    あらゆる有用な業務は尊重されるべきであるという認識を深めること。そしてロータリアン各自が、職業を通じて社会に奉仕するためにその職業を品位あらしめること。

2.    事業及び専門職務の道徳的水準を高めること。

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 先ず第1に、資本主義国の勤勉な実業家達は、昼夜を分かたず働いている。しかし1900年代の古い時代の実業家と違って、彼はまた、自分のまわりの社会に対する義務にも気づいている。

彼は成功を自惚れとしてではなく、受け取ると同時に与えなければならない執事の役目として受け入れている。

「彼らの考え方を深く理解することなしに、崇高な理念を持っている人たちと交わることはできない。彼らと出会うことは、私の人生における千金の時に等しい。」

 

ポートランドでは全国大会が開催されていた。ホストクラブは、すべての代議員に、愉快に自然に親しみたい観光客としてのスリルを味わってもらおうと、コロンビア川を遡る大きな船に乗れるように手配した。抜け目ない連合会会長から出された、大会の当日の全議事を船の上でやるように手配するという提案は、余りにも魅力的なものだった。皆は賛成してにやりと笑った。もしも、スピーチに穴があけば(大会の講演者がしばしば見せた習慣)、いつでも、移りゆく風景のパノラマを楽しむことができるに違いない。

 

その日に講演者の一人が、ミネアポリス・クラブの弁護士であり会長のベンジャミン・フランク・コリンズBFrank Collins)であった。彼の演説は命令調で個性的であり、うるわしき8月の朝のように力強い話しぶりだった。

彼が話しを締めくくったとき、人々はただうっとりと彼の演説に聞き入っていた。

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 「ロータリークラブの組織では、為すべきことはただ一つであり、それは出発点を間違わないことである。自分自身のためにそこからメリットを引き出そうとしてロータリーに入る人たちは、選択を誤った人たちであって、ロータリーとはそんなものではない。

ミネアポリス・クラブにより採用され、クラブ創立以来、堅く守られてきた原則こそ、『Servicenot self』である。」

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 2度あることは3度であった。奉仕のテーマが、再び、短い言葉で宣言された。代議員たちは直ちに、その言葉に飛びついた。

 実際、この演説は、アーサー・シェルドンの有名な宣言、『He profits most who serves best』を最初に聞いてから、僅か数分以内になされたものであった。

 しかし、このより短い叙述は、再びロータリアンの心を打ち、各クラブは両方のモットーを採用することを決定した。

 

進歩には終焉はなかった。ロータリーを認識し、モットーを認識するために、人々は今まで以上に彼らを導く言葉について勉強し続けた。

 そこでロータリーは、そのモットーをロータリーの内外に広く売り込むことを決意した。

 誰が最初に、紙に書かれたその短い標語をいじくり回そうとしたかは分からない。たぶん、それは委員会ではなく、グループだったであろう。自分で売り込んだ即席演説だったのかも知れない。

Servicenot self

 そう、何れにせよ、自己の存在を考えることが、まったく悪いわけではない。例えば、人間は自尊心を持つべきだし、自分自身を守らなければならない。もし自分自身が零落すれば、奉仕することなどできるわけはない。

従って、『Not Self』が、何を意味しているかを理解することは、まったく難解である。自分自身を二の次にしておくのは良いとしても、それを完全に否定するのはどうかと思われた。

「よし、それなら『Service Above Self』にしたらどうだろうか?」

 誰かが意気揚々と、適切な提案をした。

「それは良いね!」

 別の人が叫んだ。たぶんそれは、販売の専門家、アーサー・シェルドンの興奮した声であったに違いない。

「それはよい方針であり、すべてを言い尽くしている。」

 

明らかに、彼の発言は正しく、その提案は満場一致をもって採択された。

そこで、数ヵ月後には、『Service Above Self』は多くのロータリーのレターヘッドやパンフレットや演説原稿や宣言文に用いられはじめた。更にしばしば、モットーは『Service Above Self』と『He Profits Most Who Serves Best』が組み合わされて印刷された。

 

あらゆる様式で、モットーは満足感を持って、長く使われることになった。それは、単にシカゴだけではなく、約40年間にもわたって完全な公式声明とは言えないにしろ、すべてのロータリーの会員に親しまれたのである! 1950年のデトロイト大会Detroit Conventionでこの二つの文言が【ロータリー・モットー】(Rotary mottoes)として正式に認められるまでは、このモットーは個人の自由裁量で文献やあらゆる場所で頻繁に使われていた。