ロータリーは人を作る

ロータリーは人を作る・佐藤千尋より

 

ビル・ロビンス元会長は、エッマーソンの次のような言葉を引用して我々に語りかけています。

 

「文明の物差しは人口ではない。都市の大きさではない。またその収入高でもない。その国が如何なる人を作ったかによって、文明は計られる。」

そしてビルはこう呼びかけます。

「しからば、ロータリーの第1の仕事は人を作ることではないか。」と。

 

この言葉は正に目の上の塵が落ちるような爽やかな指摘です。

皆さんが「事業の経営で何が最も大事か」と聞かれたら、

恐らくどなたも「人づくり」−「事業は人なり」と答えるでしょう。

 

それなら、なぜ同じ発想がロータリーでなされなかったのでしょうか?

いや、我々はロータリー情報に力を入れている。会員の質の向上を図っていると言われるかも知れません。  

 

ところが、【質の向上】ということを強調するクラブは、ややもすれば会員増強にブレーキをかけています。

いつでも繰り返し繰り返し議論される「質か量か」というジレンマです。

 

しかし、それならみなさんの経営する会社では、毎年計画的に新入社員を採用して、新しい人材を育成するということをやっておられませんか。

真剣に企業の将来を考えている経営者ならば、そんなことは極めて当然のこととして疑う者もいないでしょう。

 

然らば、ロータリーの場合にだけ、会員増強と質の向上とが相反するかのような錯覚を持つのはおかしいではありませんか。

現在の会員を、更に一層優秀な会員に育てるとともに、常に新たな血を導入して、クラブの若返りを図ることが、クラブを強化し永続させる道であって、そこに二者択一の余地はありません。

 

また、新たにクラブを結成することが出来るならば、これまたロータリーの精神を地域社会に拡大してゆくものであって、我々の理想とする、より良い社会の建設に至る道でしょう。

 

ロータリーの精神が他人のために献身するということにある以上、ロータリーを他人に分かち合うことを惜しんではなりません。

 

私は、人間存在の本質が「人と人との間柄」にあると思います。

そういう人間存在の必然として、ロータリーの心を他に分かち合うことがそのまま自分のためにもなることです。

 

「より良いあなたを作ること」は「より良い私を作ること」になります。

それは決して別のものではなく、本来、一体不二のものであります。人間関係とはそういう相互作用なのです。