行動・ロータリー・クラブ

(奉仕こそわがつとめL)

 

 本書の冒頭において、職業奉仕とは、ロータリー・クラブの各会員が、その責任として、その職業関係において会ったり交渉を持ったりする、ロータリアン以外の人たちと、ロータリーの理想を分かち合うことであると定義しました。 

 

この定義に照らしてみれば、実際的で地についた活動の機会は無数にあります。各ロータリアンがその職業生活において、ロータリーを分かち合うよう激励されている多くの方法については既に説明しました。

残るところはただクラブおよびクラブの委員会としての仕事の範囲を示すことだけであります。

 

 クラブの例会はこの計画を実現するための当然の舞台です。

従業員、競争業者、売手買手、同業組合、および四つのテスト等の各問題についての活動に責任を持つ職業奉仕各小委員会委員長による計画は、これらの各分野において、ロータリーの思想を分かつ機会を会員に指示することができます。

ロータリーに伝統的な[職業分類の話]も、その話をする会員がその属する業界において、ロータリーの感化をどのように伝えているかを説明してこそ初めてその目的が果たされるのであります。

 

 しかしながら、これらの問題を把握するには、クラブ例会の時間では足りないことを経験が証明しています。くつろいだ、非公式の、少人数の会を、会員の自宅で開く方が、実際の事情について意見を交換したり、行動の計画を立てたりするためにはまさっております。

 

 地区単位またはクラブの集団によって時々行なわれたことのあるもう一つの有意義な経験は、『ロータリー職業連絡会議』であります。職業奉仕関係のいろいろの分野における指導者が、ロータリアンの大きな集りで、専門的な助言を公開または非公開で与えるのです。これらの会議は非常に有効でありました。

 

 以上述べた[分かち合いの型]は、彼らの個人的職業生活の中で行動を起こすことをロータリアンに知らせ、且これを勧奨する種類のものでありました。

ところが、ロータリー・クラブもまたこのような行動に直接の援助を与えることができるのであります。

 

本書および『四つのテスト』は職業のすべての関係において、ロータリアンでない人たちと『奉仕こそわがつとめ』であるという観念を分かち合う道具であります。

 

これらの道具は、ロータリアンが新しい理解と、すべて取引はこのような基準で評価して欲しいと望むような、そのような基準を待望するということを、従業員、競争者、顧客、ないしは問屋に伝達するために用い得る、橋の役目をつとめるのであります。

 

『四つのテスト』の話を書いたポケット型のものを顧客に配ることもできます。ポスターは事務所や工場で、

[我々が考えたり、話したりあるいは行なったりする事柄の尺度として]、

それを宣言してくれます。デスク・プラークは業務執行者や専門職業人に、彼ら自身の真心が正しいと信ずるところに従って、すべての決断を下すべきことを思い起こさせます。

 

 豪州のあるクラブは、会員、その従業員およびその家族のために年次ピクニックを開催しました。ロータリーにその名称を与えた慣行を思い出させるのは、クラブによる会員の工場、店舗、または事務所への訪問であります(注。いわゆる職場訪問)。このような【持ち回りデー】は、ロータリーの躍如たる印象をそれら商社の従業員たちに与えることができるのであります。

 

 ロータリー・クラブおよびその職業奉仕委員会の、働きの更にもう一つの領域は、“地域社会全般”とロータリーの理想を分かち合うことであります。

いかに恵まれた町でも、『奉仕こそわがつとめ』という理想によって、その住民がより良き生活への感激を与えられないはずは無いでしょう。

 

前に述べた労使団体や【親切競争】はその役に立つかもしれません。あるいは地方の販売人の視野は、【販売者学校】を造ることによって向上させることができるかもしれません。

あらゆる有用な職業の尊さを劇的に現わすために、日本その他のロータリー・クラブでは、郵便配達人、電話交換手、道路掃除夫などの【定期的表彰】を行ないました。職業におけるロータリーの目的についてのいっそう広い一般の理解は、町民大会やラジオまたはテレビ放送による会員の討議によって増進させることができます。

 

 『奉仕』」はすでに言われているように[将来への貢献]であります。

青年すなわち次代の従業員や指導者たちに、正しく物を考え正しく実行する習慣をつけるように、早くから訓練することほど、職業奉仕に対する普遍的な好機会はありません。

彼らの町の若い人たちに、『四つのテスト』を利用するよう説きつけるという、根本的な仕事にまさる素晴らしい成果を挙げることは、いかなる職業奉仕委員会と雖も、望むことはできないでありましょう。

 

 重要なことは、職業奉仕の企画を、地方事情の実際の要求に結びつけることであります。

同様に重要なことは、その要求と、それに対して何かしなければならないという彼ら自身の責任を認識する、地方ロータリアンの“熱意”であります。

 

ロータリー・クラブがロータリーの名にふさわしいためには、そのクラブにこのイニシアチブを取る幾人かの会員がなければなりません。

なぜなら、職業奉仕の活発な活動なくしては、ロータリーはその意義と使命を失うからであります。それは、その熱意をもって活力を注入する職業奉仕委員長であってもよいし、あるいはまただれか他の人であってもかまいません。

 

 「議論がいつのまにか抽象的な一般論になってしまったとき、一人の会員がもっと具体的な事例について話をしようではないかと強く要求しました。

そして続いて彼自身の事業で直面している現実の問題の概要を説明しはじめたのであります。ここに、ロータリーの友好的雰囲気の中で、一人の男が胸襟を開き、何もかもすべてぶちまけて、友人から勧告と助言を求めようとしたのであります。その瞬間その委員会は、職業奉仕の意義を知ることができたのであります。続いて行なわれた経験の交換は、年間計画の基調を生み出したのであります。」