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現代 の ギルド
(奉仕こそわがつとめC)
ロータリー・クラブがつくられる時に、まず第1に考えねばならないことは、地域社会における、すべての有益かつ認められた職業のすぐれた代表を、会員として獲得することであります。
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同様の考えは、“新会員の選択”にも向けられます。
彼らは、その職業に成功していなければなりません。
すなわち彼らはそれぞれの技能にすぐれていなければならないのであります。彼らの人格は疑いを差しはさむ余地のないものでなければなりません。
彼らはその職業の水準を支持し、かつそれを高めていく理念に打ち込んでいなければなりません。
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まことにロータリー・クラブは、優秀な職業人の集合体であると言っても不当ではありますまい。
しかしながら、古代ギルドとは異なり、ロータリー・クラブは、特殊技能の知識を保護したり、私蔵したりするために組織されているのではありません。
それどころか、ロータリー・クラブは、すべての技能が社会のために提供できる奉仕を広める任務に、ささげられているのであります。
地域社会における、すべての職業の横断面を包括するため、ロータリー・クラブには、競争者はおりませんが、その結果、ある“義務”が生じてくるのであります。
その義務の一つは、
「ロータリアンは、仲間のロータリアンが、事業上関係を持つロータリアン以外の事業家に、与えるであろう考慮や便宜よりも、より多くの考慮や便宜を、その仲間のロータリアンか、期待してはならない。いわんや、これを要求してはならない。」
利益のために、友情を濫用することは、ロータリー精神に反します。
換言すれば、自由競争は恩恵であって、ロータリー・クラブはこれを育成するように、計画されているのであります。
ロータリアンのもう一つの、いっそう積極的な義務は、
「ロータリーの使命と理想を、その競争者との間の事業関係に、持ち込むことであります。」
職業分類の受託者として、各会員はその業界に送られた大使とみなされております。そして、自分の同業組合の仕事に、活発に参加することが、奨励されております。
この義務は、あるクラブで講演したそのクラブの職業奉仕委員長によって強力に述べられました:
【同業組合】の仕事に、ひとはだ脱ぐロータリアンは、多くの利益を受けます。好意が得られることは、そのおもなものの一つです。
この利益の著しい例証が、ある小さな町の放送局から、放送された職業奉仕のラジオ・プログラムの中で示されました。
医師というものが、ほとんど自動的に、貴重な市民として尊敬される理由として、医師会の仕事が引用されました。医師会が、教養の最低基準を定め、正しい開業の掟を実施し、新しい療法や新発見の交換を規定する、などのことを行なったので、個人の医師がどこで開業しても、即座に、最初から多大の尊敬をかち得る優位に立ち得るのであります。
小さな商人が、その同業組合に加入していることから得る実際上の利益について、あるロータリーの会合で、自分の組合の価値について説明することを、頼まれたある裁縫師が、興味深く説明しました。
過去30年にわたるその町の商業取引の状況を、ふり返って見て彼は、一般賃金が、5倍に増加したのに、服の仕立代金は、わずかに3倍にしか上がらなかったということが、わかったのであります。彼とその競争者たちが、お互いの技術知識を交換したのは、同業組合においてでありました。その結果、洋服のあつらえ仕立ての効率が増して、「既製服」との競争に、堪え得るようになったのであります。
偉大なる政治家であり著作家である、エドモンド・バークはかって言った。
「悪人が団結したときには、善人もまた連合しなければならない。然らざれば、彼らは一人また一人とつまらない闘争の犠牲となり、しかも、だれ一人これを憐れむ者はないであろう。」
もしも、ロータリアンが連合して、“社会に奉仕する機会”というより大きな考え方と、“公共に対する奉仕”となる場合においてのみ、組合は最上の利益を図ることができるのだという認識とを、組合に注入することができれば、彼らはそれによって、同業組合に対して、強力な感化を与えることが、できるのであります。
ロータリーが、現代の「ギルド」の強化に、著しく貢献したものの一つは、正しい【実務基準】を発達させたことでありました。
職業奉仕の効果的実践のためには、実務基準の組織的探究にまさる手段は、ないと思います。
正しい実務方法を規定する適切な基準を、持っていると誇り得る同業組合に所属している会員にとっても、なお実行すべき任務があるのです。
すなわち、彼らは使用人に対する訓練手引として、あるいは、その感化を顧客や供給者たちにも及ぼすことによって、更にまた、競争者たちに基準の権威を再認識させるために、同業組合の会合において、これに言及することによって、この基準が、彼自身の職業の実務の中で、遵守されることを確保するための手段を、講ずることができるのであります。
このようにして彼らは、これらの現代のギルドにおける、職業人道の新感覚の造成を、促進するために役立つことができるのであります。
かくして彼らは、ベーコンの言う《自分の職業に対して誰もが負っている負債》を返済することができるのです。
基準の問題で、最近行なわれた別の活動が、全国的な夜警サービス会社の重役である、スウェーデンのあるロータリアンから報告されています。
このロータリアンは、従業員たちの、夜警という仕事に対する誇りと、尊敬の念と、彼らの所属団体への関心とを高めるのに、助力が必要なことに気づきました。けれども、彼は遵守すべき規定を設ける代わりに、一つの手続を考案したのです。
そして、これに基づいて、夜警たちは職業に関する特殊な問題を討議して、自分たちで規定をつくりました。国中の夜警サービスの小さなグループは、それぞれ会合して、自分たちに本当に関係のある事態について、話し合いました。これらのグループ全部から、寄せられた報告が集められ、再び詳細討議のため返送されました。
そして最後に、全部のグループの代表者が、2日間の連続会議に出席し、そこで、20ヵ条から成る実務基準が、採択されました。代表者全員が、署名したこの規準は、従業員自身の経験に基づいて案出されたものとして、夜警サービス会社の、全従業員に発表されました。それ以来、新入従業員は皆、先輩従業員からこの規準についての、詳細な説明を受けております。
このような手続は、明らかに、同僚同志が毎日接触する事業体において、至極簡単に守りうるもので、しかも、励ましにもなる好結果をも、たらしうるものであります。
スウェーデンの、この実例を観察した人たちは、夜警たちによってはっきり示された自尊心に驚嘆し、感動しそして喜んだのでありました。
討論は活発に行なわれ、非常に多種多様の、ときには当惑するような事例が、持ち出されながらも、結局最後には、多くの重要事項について、満場一致をもたらしたのであります。