ロータリー・クラブの各会員に対する

義務と責任

A Talking Knowledge of RotaryB)

 

 クラブ活動において、しばしばロータリーの【良き親睦】がロータリーのすべてであると誤解されている。クラブの中にもまた、揺らぐことのない親睦の確立こそ、ロータリーの存在の根拠であると考えている者もいる。

この2つの立場には批判の余地があることは明白である。

 

【良き親睦】は、決してロータリーのすべてではないのであって、良き親睦はロータリーという苗木が根をおろし、そして生長するための土壌をなしているのである。

 

良き親睦を形成するものとして次のものがある。

1.真心のこもった握手。

2.姓ではなく名前を呼び合うこと。

3.歌の合唱を行うこと。

4.ある種のウィットに富んだ行動。

5.各会員相互間に行われるその他の親切。

6.議長、同僚たる会員および招待者に対する礼儀正しい行動。

7.老練な企業経営者にして始めてできる紳士的振舞いと思慮深さ。

 

これらの行為、またはこれに類する行為は、ロータリーの良き親睦の表現形態である。

 

幾つかのクラブでいつも会員の入会、退会が相次ぐのは、ロータリーの会合に出席する価値がないことによるのだという点も、クラブ役員たちは忘れてはならないのである。

娯楽的行事よりも、できるだけ教育的かつ企業経営的行事を優先させるよう心がけなければならない。

つまり、ロータリーがこれから行おうとする事の大きさに比して、与えられた時間がいかに少ないかを考慮すべきである。

 

@.一般的には、会員の名前を読み上げるとき、

A.ウィットを交えること、

B.自分を他の会員に印象付けるようにさせること、

C.例会出席を向上させること、

D.および何事にもあれ皆の気持ちを引き立たせること。

といったような【ウィットに富んだ行動】は、どのクラブでも喜ばれている。しかしながら、無意味な馬鹿騒ぎや、駄洒落はロータリーの活動に、あってはならない。

 

プログラムを企画する場合には、まず昼食会および夕食会の時間の配分に注意し、重要性の高い活動をまず優先的に行うよう配慮するのが妥当である。

これらの行事に、できるだけ多くの会員が参与できるほど、各会員に最良の効果が現われるということを心に留めておかなければならない。

 

 

昼 食 会

 

1時間にわたる昼食会の半分は通常食事と親睦に専念する部分である。この後半の行事を行う第1の根拠は会員たちの未知の能力をことごとく理解しようとする努力に由来するものである。

このような目的を達成するため、卓話のプログラムを行う場合、この仕事には次に掲げる2つの別な側面があり、この点を慎重に考慮しなければならない。     

 

すなわち、

1.会員またはゲスト・スピーカーによる企業の話。

2.ロータリーの慣例の勉強。

 

 会員が、多くの人たちから、自分の企業について語る話を聞く機会は、ロータリーの会員たることによって、与えられる最も重要な特権の一つと考えられている。

 会員たるスピーカーは、同業者の存在に当惑することがない。会員たるスピーカーは、腹の底まで打ち明けることができる。つまり、彼はどこまでも真実を語ることができる。

 

 第2の側面------すなわちロータリーの勉強------については、定期的にロータリーに関する理解を深める話だけを目的とする特別昼食会を持たなければならない。

 ロータリーの原理を再検討し、これを追求しようとする探究心は、従来近隣クラブとスピーカーを交換することによって満たされてきた。

 

 昼食会の後半の部分を行う第2の根拠は、次に掲げる点を追求しようとする努力に由来するものである。すなわち、

 

 1.会員の心の中に最高の職業倫理基準を、なお一層しっかりと植え付けること。

諸々の会合で、ロータリー倫理訓をそのままか、または解説つきで読み挙げ、これを何回も催せば、この点の目的を達成する最良の方法となる。

 

2.奉仕の扉を開くこと。

「ロータリアンとは奉仕能力の涵養に専念する人のことである。」

 ロータリーの原理を体得するにつれ、ロータリアンは、ただ単に奉仕能力ができるだけでなく、更に進んで奉仕する意欲に燃えるようになる。

 もはや奉仕とは、人の気づかぬうちに、そっと品物を置いてくるといったような単に物質的な意味をもつものではなくなるのである。ロータリアン的意味での奉仕とは心の過程のことなのである。

 奉仕とは奉仕すべき人と物とを行動に結びつける心の状態のことである。

ロータリアンの中には法律家、医師、コピーライター等のように、奉仕を実践するのが他の職業の者よりやさしいのもある。しかし、わずか数名から数百名にも及ぶ従業員がいるような、企業または専門職業における奉仕は一体、どうなるのか。

 ロータリアンは、その企業組織を伝って、経営者と従業員とに奉仕の菌を植え付けなければならない。そして植え付けた後も、菌が充分に行き渡ったと確信するまで、その態度を緩めてはならない。

 

 昼食会の後半の部分を行う第3の根拠は、クラブ会員たることによって与えられる機会を通じて、会員の企業に助力を与えようとする努力の由来するものである。

 取引き増加の機会はクラブ生活の一効果であって、このことはクラブ組織が、教育を目的とするものであれ、倫理高揚を目的とするものであれ、また体育を、社交を、目的とするものであるとを問わない。

 業界は【信用】の上に成り立っているのである。信用が大きければ大きいほど、取引きへの影響が拡がる。この事実を鑑みれば、必然的な帰結として、相互の信頼と誠実さに基づく信用に発する固い友情の形成を奨励する団体は企業の将来の礎石となると言うことができる。

 

 大抵のクラブにおいては、会員相互間で取引きの面で付き合いが始まるという自然の成り行きがある。ロータリーが他のクラブよりも特に優れている利点は、昼食会や夕食会において親しみと友情の種を蒔き、これがすくすくと育って、他のクラブの場合よりも早く実りを持つに至る機会が与えられるという点にある。

 

ロータリアン相互間の取引きは、セールスの技術の結果というよりは奉仕の結果なのである。

 

夕刻の会合

 

夕刻の会合は、昼食会の場合より時間に余裕があるから、各会員の向上と各会員の企業の向上を達成するには一層良い機会となる。

一般的に言って、立派な企画に基づく一連の有益な話を柱として、夕刻のプログラムを立てなければならない。

例えば、“家族会”は通常12月に行われ、この会合がクリスマスのお祝いを行うと共に、これを祝して素晴らしい慈善的催しを行う場となることができる。

秋の最初の会合と【ロータリー創立記念日】に一番近い日の会合では、通常ロータリーの話かまたはロータリアン同志の討論が行われる。その他、

 

a.近隣のクラブ同士が訪問し合うこと。

b.企業実績に関する話。

c.事務機器やファッションに関するショウ。

d.種類の如何を問わず公共問題の検討。

e.都市総合計画。

f.国家祝祭日記念式典。等々。

 

大抵のクラブの『経営協議会』は、夕食の直後の会合で行われている。

[ロータリーは企業経営者の議会である]という点を心に銘記すれば、この種の会合は、迅速に議事を処理し、提案されたすべての問題を正式の議題として採り上げ、かつ慎重な審議がなされなければならない。

 

【新入会員の紹介】は夕刻の会合で行われるのが一番良いようである。

このときクラブ会長は、この新入会員にロータリーについての話をして聞かせることが慣例となっている。この慣例は、新入会員に対して意義があるに留まらず、会員一同に対しても、ロータリーの理想と慣例とに注意を喚起するという点でもためになるのである。

 

夕刻の会合を閉じるに際して、必ずや、ロータリアンたちが何らかの高い理想の追求意欲を燃やし、かつ自分の企業、自分の職業分野、自分の、ならびに自分の、および国家優れた“奉仕”を行うべき決意を新たにさせるということであらねばならない。