奉仕の実践に関する決議34号

 

 ロータリーにおいて、社会奉仕(Community Service)とは、一人一人のロータリアンがその家庭生活、職業生活、地域社会生活に奉仕の心(理想)を実践に移すことを奨励、育成することを言う。

 

この奉仕の心(理想)の実践に当たっては、これまでに多くのクラブはロータリアンに対して、奉仕の機会を与えるために多様な社会奉仕活動を開発してきた。下記の基本原則がロータリアンとロータリー・クラブとの指針として、またロータリーの社会奉仕活動の方針として適切であり、一般に認められているものである。

 

 1)ロータリーとは、利己と利他との調和を図る人生の哲学である。

ロータリーは、基本的には、自己のために利益を得ようとする欲望と、人のために奉仕しなければならない義務感との間に絶えず生ずる葛藤を調和しようとする人生の哲学である。この哲学こそ 

Service above self.(利己よりも奉仕を優先・超我の奉仕)と、

He profits most who serves best.(最もよく奉仕するもの最も多く報いられる)

   との実践倫理原則に基づくものである。

 

 2)ロータリー・クラブとは奉仕の心を信奉する事業経営者の集まりである。

    ロータリー・クラブは、本来、ロータリーの奉仕の哲学を信奉する実業及び専門職(総じて職業という)に携わる代表者の集まりであり、次の4つの実践を目指している。

(1)  学ぶ。 全員が、奉仕の理論が事業の成功と、人生の幸福への真の基礎となることを学ぶ。

(2)  実証する。 全員が、自分達及び地域社会にそれを具体的に実証する。

(3)  実践する。 全員が、各々個人としてその理念を職業生活、社会生活             において実践に移す。

(4)  提唱する。 個人として、団体として、ロータリアンだけでなくロータリアン以外の人々にも奉仕の理論と実践とを提唱する。

 

 3)国際ロータリーは次の目的のために存在する組織である。

(1)  擁護。ロータリーの奉仕の心を擁護し、発展し、世界中に普及。

(2)  設立。ロータリー・クラブの設立、推奨、支援、及び運営の管理。

(3)  情報交換所と標準化。一種の情報交換所として、各クラブの問題を研究し、また、強制ではなく有益な助言を与えることによって各クラブの運営方法の標準化を図り、奉仕の実践活動についても、既に、広く多くのクラブによってその価値が実証されており、RI定款に掲げられているロータリーの綱領の趣旨に適い、これを乱すような恐れのない社会奉仕活動によってのみその標準化を図ること。

 

4)奉仕とは活動である。

    奉仕するものは行動しなければならない。ロータリーとは単なる精神運動ではない。ロータリーの理念はただ主観的なものでなく、客観的な行動に移さなければならない。そして、ロータリアン個人もロータリー・クラブも奉仕の理論を実践に移さなければならない。

    そこで、ロータリー・クラブの団体活動は次のような条件の下に行なうよう進められている。

 

(1)  毎年主要な活動を・・・すべてのロータリー・クラブは毎年、主要な社会奉仕活動を実施することが望ましい。

(2)  毎年内容の変更を・・・出来れば、毎年内容を変えるか、

(3)  会計年度内に完結を・・・出来ればロータリーの会計年度内に完結する。

(4)  現実のニーズを・・・この活動は地域社会の現実的なニーズに応え、

(5)  全員の協力を・・・さらに、クラブの会員全員による協力を必要とするものが望ましい。

(6)  継続事業とは別に・・・これは、クラブ会員の地域社会における個々の奉仕を奨励するためにクラブが継続的に実施しているプログラムとは別に行なわれるべきとする。

 

 5)クラブの絶対的自主権。

各ロータリー・クラブは、クラブとして関心があり、またその地域社会に適した社会奉仕活動を自主的に選択する絶対的な自主裁量権を持っている。

   しかし、いかなるクラブもロータリーの綱領を無視したり、ロータリー・クラブ結成の本来の目的を危うくするような社会奉仕活動を行なってはならない。

   そしてRIは、一般的な奉仕活動を研究し、標準化し、推進し、これに関する有益な指示を与えることはあっても、しかし、どんなクラブのどんな社会奉仕活動にせよ、これを命じたり禁じたりすることは絶対にしてはならない。

 

 6)クラブに対する指導指針

個々のロータリー・クラブに対して社会奉仕活動の選択を律する規定は別に設けられていないが、次の原則が指導指針として奨励されている。

 

(a)広範囲な奉仕の実践。

    ロータリーの会員数には限りがあります。したがって、市民全員の積極的な支援を必要とするような広範囲な社会奉仕活動には携わるべきではない。しかし、地域社会全体の代弁者として行動し得る適格な民間その他の団体がない地域ではその限りではない。

商工会議所がある地域では、ロータリー・クラブは会議所の仕事の邪魔をしたり横取りしてはならない。しかし、ロータリアンは奉仕の理念を信奉し訓練を受けた個人として商工会議所の会員となって活動し、その地域の市民として他の善良な市民と一緒に広くすべての社会奉仕活動に関与し、能力に応じて金銭や奉仕の上でその役割を果たすべきである。

  

(b) 能力と意思が必要。

一般的に言って、ロータリー・クラブはどんな立派な事業であっても、事業の完結までの全責任、または分担した責任を進んで持つ能力と意思を持つものでなければ引き受けてはならない。

  

(c) 正しい広報が大切。

ロータリー・クラブの社会奉仕活動の選択には、宣伝を主たる目標ととしてはならないが、ロータリーの影響力を拡大する一つの方法として、クラブが立派に遂行した有益な事業については正しい広報が行なわれるべきである。

  

(d) 仕事の重複を避ける。

ロータリー・クラブは仕事の重複を避けるべきである。原則として、他の機関が既に立派に実施中の活動に乗り出してはならない。

  

(e) 既存の機関に協力を。

ロータリー・クラブの奉仕活動は、なるべく既存の機関に協力する形で行なうのが望ましいが、その能力が目的達成に不十分な場合には、必要に応じて新しい機関を創設しても差し支えない。しかし、ロータリー・クラブとしては重複するような機関を造るよりも、現存の機関を活用するほうが望ましい。

  

(f) RCは警鐘者としての役割。

ロータリー・クラブはそのすべての活動において、警鐘者として優れた働きをし、多大の功績を収めている。

ロータリー・クラブが問題を見つけても、その責任が地域社会全体のものである場合クラブ単独で解決しようとしないで、他の人々に解決の必要性を喚起して、地域社会全体に目覚めさせることである。そうすれば、ロータリーだけでなく当事者である地域社会全体が責任を負うことになります。

ロータリーは、その事業の発起人、指導者として活躍しながらも、当然関与すべき他の諸団体の協力を得るべく努力し、ロータリー自身に帰すべき功績を最小限度に留めて、進んで協力者に成功のすべての功績を与えるようにしなければならない。

  

(g) 団体奉仕よりも個人奉仕を。

     クラブが集団となって行動するだけで足る活動よりも、広くすべてのロータリアンの個々の力を動員するものの方がロータリー精神により叶っているといえる。

     それは、ロータリー・クラブの社会奉仕活動はロータリー・クラブの会員に奉仕活動の訓練のための研究室の実験としての試みに過ぎないとみなすべきである。